双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

人生は時々晴れ

|映画|


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人生の大半は曇りか、でなければ雨降りばかりで、お天道様のきれいに照る日なんて、たまに在れば良いよなもの。仕事は単調、景気は悪い、得をするのは要領の良い連中だけ、厄介事は数え切れず、棒アイスの当たりにすら見放され。実に塩辛く、実に遣る瀬無い。けれどだからこそ、たまの晴れの日が眩しいんだな。時々晴れの人生には、皮肉とユーモアをひと匙。たとい喜怒哀楽、如何なる出来事に出くわしても、笑い飛ばせる器量でありたい、と常々想う。
何事も見方ひとつで変わる。ささやかな出来事には大袈裟に喜び。哀しみには泣きながら笑い。悲惨を自虐で笑い飛ばし。折角だ。憎たらしくもいとおしい日々を、泣いて笑って、人間らしくしみじみ生きようじゃないか。


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ケン・ローチマイク・リーらの描く、ロンドンや英国の田舎町の市井の人々の小さな物語が、或る種、ヒリリと胸の痛むよな切なさ、遣る瀬無さを伴う一方で、舞台がアイルランドに移ると云うと、同じよな市井の物語でも、全く印象が異なるから不思議と想う。アイリッシュは、基本的に真面目で人が好いのだろね。使い古されたメロドラマ性や予定調和も、彼らの気質である、何事も笑い飛ばす逞しさや情の深さにかかれば、ちいとも陳腐にならない。
ディケンズやオースティンの英国と、ジョイスやワイルドのアイルランド。ユーモア、気質は其々異なれど、いちばん面白いのも愚かなのも哀しいのも、人間そのものなのだ云うのを、どちらも良く分かって居るのだよね。




映画の中の悲喜交々。
泣き笑いと、ビタースウィートと、しんみりと。



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*1:この邦題は何だかなぁ。ちなみに原題は 『10 Items or Less』(スーパーで品数の少ない人が並ぶレジね。) 

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