双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

お弁当持って

|雑記|


明日の朝は、随分と早い。
何故早いのかと云うと、出掛けるからであって、
出掛けるから勿論、店は休むのだけれど、因みに
こんなことはそう滅多に在ることじゃないので、
おやおや、仕事なんか休んで好い気なもんだな。
などと、意地悪には決して想わんで頂きたい。
出掛ける先は奥会津三島町で年に一度催される
民芸工芸市 「工人まつり」 へ行ってみたいなぁ、と
予てより、計画を立てて居た訳なのであるが、
昨今良く耳にする、所謂クラフト・フェアなるもの
とは少々趣が異なって、地元のお年寄りらが自分で
編んだ籠や笊などを持ち寄ったりと、どうやら
地元色濃い市である風なので、非常に愉しみなのだ。


店仕舞いの少し前から、明日のお弁当を準備する。
水筒にお茶を拵え、サンドウィッチも拵えた。
今日び、幾らでもコンビニエンスストアで事足りる、
と仰る方も居られるだろうが、あすこのパンなぞ
買うのなら、同じ百円何某でパン屋のパンを買う。
同じお金を払うなら、美味しくて、ちゃんと仕事を
したのが良いに決まって居るし、何しろ、元来が
食べることを疎かにできぬ質、と云うだけのことである。
だから出立が朝が早ければ、前日の内に準備して弁当を
拵えることにして居る。弁当と云ったって大概は、
おむすびかサンドウィッチきりなのだけれど、なるたけ
ちゃんと丁寧に拵える。胡瓜、卵、ツナの具に其々の
下拵えをして、バタを塗った食パンを並べたのに、
菜箸使ってむら無くのせて。布巾に包んで、小一時間ほど
冷蔵庫で寝かせたのを、砥いだばかりの包丁でもって、
きちりと切り分ける。ときには、あれこれと具沢山のも
勿論良いけれど、おむすびは梅干、おかか、昆布が良いよに、
サンドウィッチも簡素なのが、しみじみして良いよに想う。

<