双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

夜を抜けて

|雑記|


またひとつ、汽笛が消えたのです。
東京と九州とを結ぶ 『富士・はやぶさ』最後の運行。
いつの日か…と想って居る内に、またひとつ。
夜の線路から、寝台特急の灯りが消えてしまった。
この先、こうやって。少しずつ青い列車は消えてゆく。
飛行機。新幹線。効率の良い手段なら他にも在るのに、
それでも青い列車に心が傾くのは、何故なのだろ。
取留めの無い絵空事。高揚と寂しさ。道中の機微の
とくとくと、心に沁み込むんでゆく時間。永い永い、夜。
移動時間の速さで旅を計るのは、好きじゃない。
機会が無くて、枕の下に車輪の音を聞いたことは
未だ無いけれど、夜を抜けてゆく列車に乗るのは、
一体、どんな心持ちがするだろか…。
サンライズ瀬戸』 で伊予松山に土佐高知。
『北陸』 で金沢、と云うのも捨て難いなぁ。

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