双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

冬の中

|日々| |音|


外出にコートを羽織ると、ただそれだけで、
自分が冬の中に在ることを、感じ入る。
冬の出で立ち。冬の心地。
月曜日。通り慣れた小高い丘に沿う道が、
前日の雨に散った銀杏の葉で、すっかり
黄色に埋まった上を、滑らぬよにして歩いた。
誰ともすれ違うこと無く、林はしんとして。
ポッケの中のマッチ箱が、かさと鳴る。


夜の部屋で編み針を進めながら、
ただぼんやりと、想い出す。


Lilac Time

Lilac Time

ティーカップから、仄かな湯気。上って、消える。

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