双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

雨の日の星空

|音|


プラネタリウムで、デンマークケルトを聴く。
フィドルとギターで紡がれる北欧の音は、
何処か牧歌的でおっとりとして、アイルランド
それとは雰囲気の異なるのが、お国柄で面白い。
北欧の、つうんと澄んだ空気と空は、きっと
彼らの紡ぐ音色と同じ色。音を携えて旅する二人。
けれど二人の音の旅も、十年目でお終いなのだって。
まあるい天球に星空が映って、何だか子供の頃の
ことなど想い出しながら、ふんわりした心地になる。
血の沸き立つよな熱や荒々しさ、ぎゅうっと胸の
締め付けられるよな悲哀も、国が変われば
こんなに長閑な顔となるのだなぁ。愉しい。
今までにも、スペインやカナダの新旧ケルト音楽を
聴く機会が在った。皆其々に違って居て、
其々に素晴らしくて、其々に愉しかったのだけれど、
やっぱり、私はアイルランドと気が合うだろか。
ケルト音楽の魅力は、やはり実際に目で観て、
生の音を聴かないと分からない、と云う気がする。
胸の真ん中に、ダイレクトに打ち付けられる、音。
リールやジグのダンスチューンは、聴けばお腹の底から
ぐわっと力が沸き起こって来て、想わずダンダン!と
足を踏み鳴らさずには居られないし、郷愁の旋律は、
ただそれだけで心の奥底に呼びかけ、目頭がじんとする。
理屈や説明など要らない、至極プリミティヴな、
人間の魂の裸のところに、ドーンと直球で入ってくる。
荒っぽいフィドルの弓が、ボサボサになって、玄が切れて。
真っ赤な顔した親爺が、ガッツンガッツン。
大きな靴底を踏み鳴らしながら。泣いたり、笑ったり。
民族音楽は、その土地の風や匂い、言葉や人間そのもの。




If I Should Fall From Grace With God

If I Should Fall From Grace With God

云わずもがな、名盤。
きっかけは高校生の頃に出遭った、この一枚であったなぁ。
へべれけで、格好良くて、猛烈にシビレたものでした。
当時出た盤は、さすがにもう無いみたい(笑)。

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