双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

冬の寝床

|縷々|

うっすら雨の気配を感じて目を覚ますと、
冬の朝は未だ明けたばかりで、鈍く身じろげば、
夜具の僅かの隙間から、つうと冷たい空気が
入り込み、鼻先に触れ、再び眠りへ戻る。
取り留めの無い、様々の断片が瞼に重なる。
くすんだ青。ニオイスミレ。剥げかかった切手。
のろのろと、うつらうつらと。
意識は遠のき、冬の寝床へ戻ってゆく。

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