双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

苦い土曜日

|日々|

雨こそ止んだものの、一夜明けても風は変わらず。
空模様もぐずぐずと不安定で、薄ら寒い。
かと云って、二日続けて諦める訳にもゆかず、
煮え切らぬよな心持ちで土曜日を過ごす。
玉葱を刻みながら、恵比寿の写真美術館にて
開催中の、ジャコメッリ展のことなど
思い浮かべ、豆の入ったミネストローネを拵える。
弱火にくつくつとする鍋を、ぼんやり覗き込むと、
雨の気配が、換気扇の向こう側からしのび込む。
明け方まで妨げられた眠気が、時折近付いては、
知らぬ間に去ってゆくのを、奥歯に鈍く感じて、
なすべきことの無いよな一日を、苦く想う。

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