双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

一握の砂塵の如き午後がするりとすべり落ちる

|縷々|


不確かな手触りと、薄くて遠い匂いと。
まろやかな日だまりの均衡が静かに傾いて、
やがて仄暗い翳りを落とすと、重たくひんやりした
夜の気配が、足下にうっすら、溜まり始める。
日曜日の名残りは寄る辺無く、境目の曖昧な
季節と季節の間に、ひっそり漂いながら、
納まりのつく場所を探すのだろか。
うつらうつらとして、夜に引っ張られる。

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