双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

薬缶の湯

|縷々|


冬の一日。
時間の流れは、滞るよにゆっくりと。
日々を紡ぐことを厭わず。
ただ、其処にあるものを迎え入れ。
切りの無い欲目に無頓着であれるよに。
小さき気配に敏感であれるよに。
金銭で得られる豊かさが、決して
豊かさの全てでは無く、むしろ
金銭で得られぬものの中に、愛すべき
ささやかな事柄が在るのだ、と。
日々の暮らしを丁寧に、正直に。
高望みも贅沢もせず、清貧であれたら。


仕事の合間に針持つ手、動かしながら
ふと、そんなことなど想う。

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