双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

日曜映画四本勝負

|映画|


シネフィル・イマジカ』にて『インファナル・アフェア』三部作。
様々に交錯する各々の人生。生き様。思惑。
皆其々の事情を抱え、重荷を背負い、
運命に翻弄されながら、生と死を背中合わせに生き。
或る者は死に、また或る者は死ぬことを拒まれる。
「運命は人を変えるが、人は運命を変えられない。」
善悪のどちらを望んでも、己の意思の届かぬところに、
運命の皮肉が在り、例えどちらかを選べたとして、
完全な善人にも、また悪人にも、恐らくなれないのだなぁ。
トニー・レオンは間違い無く、ただ其処に居るだけで
物語の成立する、数少ない役者のひとりであるよに思う。
佇まいより、暗く静かに仄立つ男の色気。悲哀。
彼は物云わずとも、ただ其処に在るだけで良い。*1


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三部作を観終えた後で、何故だか無性に観たくなって梯子。
実のところ私は、作品によっては、ウォン・カーウァイ
と云う監督が少々苦手なのだけれど、この作品に関しては別。


テレンス・スタンプは『テオレマ』が素晴らしかったよに、
この映画のトニー・レオンもまた、良い。

*1:主人公二人を取り巻く、E・ツァンやA・ウォンら、中年男たちの背負う生き様が、是また、非常に切なく魅力的なのですな。数少ない女性陣では、カリーナ・ラウ扮するサムの女房がピリっと効いて居るのも宜しい。

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