双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ゆっくりゆくひとは遠くへゆくひと

|縷々|


私は地図を歩く。
名前のつけられた道
ちいさな袋小路の道を
瞼の奥に広げてみる。
やがて、ぼんやりとした中から
道の両脇に街が見えてきて
私は鞄に絵葉書を仕舞う。
人びとの生活の匂い。
ポッケに両の手突っ込んで
早足でもなく
ゆっくりでもなく。
私は地図を歩く。

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