双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

Book Baton

|本|


今しがた、自宅より帰宅。月曜に亡くなった祖母に、お線香をあげ、ひとしきり、喋ったり飲んだり。賑やかなお悔やみは、うちの家風かしら・・・。と先日、id:gennoさんより、何やら新たなバトンが!「Book Baton」とは、これまた何とも悩ましい課題でありますが、それ程大した内容ではありませんので、前もってあしからず。それでは参りますね。

[持っている本の冊数]
はて。どうしたものか?全く見当がつきませんが、仕舞い込んで居るものも含めれば、恐らく300〜辺りでしょうか。実はしみじみ数えたことないんです。

[今読みかけの本or読もうと思っている本]

死体と暮らすひとりの部屋―ある連続殺人者の深層

死体と暮らすひとりの部屋―ある連続殺人者の深層

たまに、思い出しては読んでいます。イギリスの悪名高き連続殺人犯、デニス・ニルセンを、根気強く取材した著者に脱帽。犯した罪自体は、弁解の余地無き卑劣なものですが、そこに至るまでのニルセンの、どうしようもない孤独に、何がしかの感情を抱いて居る自分。この著者の本でもう一冊、同じく有名な殺人犯(こちらはアメリカ)ジェフリー・ダーマーについて書かれたものがあるのだが、こちらも秀逸。このふたりに共通するものが在れば、それは間違い無く「孤独」であると思う。幼い頃より「死」と「孤独」に取り憑かれてしまった者たちが、最後まで、どうにか人間らしく在ろうとした結果が、最終的に悲劇へと、結びついてしまったことを思うと、ひどくやり切れない。

[最期に買った本]

ピグマリオン岡田史子作品集

ピグマリオン岡田史子作品集

名前だけは知って居ながら、作品自体にきちんと触れては居らず、ついに古本を購入。今から三十年近く前に、このような作品、そして作家が居た事実に、改めて敬服でした。漫画でありながらその世界観は、もはや詩的であり文学的な崇高さ。理屈ではない。

[特別な思い入れのある本、心に残っている本5冊まで]

我が心の師匠であり、永遠の不良中年である御大の、映画とその周辺にまつわる、傑作エッセイ。既に絶版なので入手は困難でしたが、数年前の誕生日に、心優しき従姉妹が、血なまこになって探してきてくれました(涙)。今では宝物です!
ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

サリンジャーが好き」と、人に云うのは、実は結構恥ずかしいものです。ここで、云ってしまってますけれども(笑)。何冊か在る中でも、特に読んだのはこの本ではないかしら。短編が素晴らしいんですな、この人は。どの作品でも常に一貫しているのは、一見すると意味の無さそで、しかしながら実は意味深い、人物の会話や云い回し。己の中の理想と、それを理解できない外の世界との間の、残酷で繊細極まりない葛藤。そして、作品中に張り詰める神経質な空気と、時にはオフビートですらある、妙な後味の乾いた絶望。私の青春の或る部分は、野崎孝・井上一馬両氏と共に・・・。
異端の肖像 (1983年) (河出文庫)

異端の肖像 (1983年) (河出文庫)

氏の数ある著書の中で、初めて手にしたのがこの本で、確か、高校の図書室に在ったのを、夢中になって読み耽りました。氏の文章は、取上げる題材のわりに、当時の私には非常に読みやすく、又洗練されて居り、エグさの中にも不思議と品が在るのが、素敵に映ったものでした。その後、図書委員長になったのを良いことに、職権乱用とばかり、高価で自分では買えない、澁澤本を買いつけましたねぇ。後で先生のチェックが入った際、半分以上は戻されて居りましたが(苦笑)。

ぼくの伯父さんの東京案内

ぼくの伯父さんの東京案内

ヌマ伯父茶ん的人生偏愛思想が、至るところから感じることのできる、私の大切な一冊であります。ニ十一世紀、ぜんぜん未来に気持ちが向かない大人のための童話。あるいは・・・・・自由というものに縛られている人生。切なくもノスタルジイに満ち満ちた、決して真似の出来ない、けれども憧れずに居られない、そんな私たちの「伯父さん」の生き方。
マンハッタン少年日記

マンハッタン少年日記

我が青春の心の一冊、かな?パティ・スミスをはじめとする、ニューヨークのミュージシャンらや、ビートニク詩人らとも親交の深い、詩人(肩書きはそれこそ、色々在る人ですが、ここでは詩人と記します。)ジム・キャロルの、実質的処女作にして、続編「ダウンタウン青春日記」のプロローグでもある本作は、如何なる想像力を駆使したところで、それが到底及ぶことの出来ぬ、痛々しく切なくそして鋭利なノンフィクションであリ、油断して居ると、読み手の心臓をその言葉でもって、深く突き刺してゆく。絶望とその少し先にある、希望との間の距離は、彼がもがけばもがく程にその腕から遠ざかり、けれども、若く早熟な才能は、吐きだめの苦悩の中であったからこそ、一層、開花していったのではなかろかな。未だに、ドキリとさせられることの多い本です。


(*)実は、本当の意味で特別な一冊(一人?)があるのですが、今はまだ、振り返ったり語るべき時期ではないよな気がするので、今回は泣く泣く外すことにしました。自分の中では、今一緒に歩んでいる途中なので。後々に、機会が訪れたとき、また・・・。

[次にまわす人5人まで]
ええとですね、これを読んで下さってる方で、やっても良いかもと思った方。どうぞご自由に、バトンをまわして下さって、結構です。え?こういうのを「丸投げ」と呼ぶのですって?はい。存知上げて居りますとも。その上で、是非ともよろしく・・・(笑)。

ううむ。何だか腑に落ちないなぁ。この課題、どんなに時間を費やそうとも、結果は同じなのです。
そう。選べない。えと、他人の本棚を覗き見する趣味を、お持ちの方。(私もそうです。フフッ。)お暇でしたらこちらをご覧下さいませ。草草。

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