双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

モヤモヤ調査局 任務終了

|雑記|


"始まりの猫" ゴッドママの不妊手術と云う、最後にして最大のミッションが無事終了*1。このモヤモヤ案件もようやっと終いである。いやはや。しんどくて長い長いひと月半だったなぁ…。
案の定、ゴッドママは妊娠して居り、もう待った無しの状態であった。実にこのタイミングで手術を受けられて良かったと思う。堕胎は悲しいことだけれど、是がもし生まれてしまって居たなら、今度こそ確実に多頭崩壊一直線だったろうから。夕刻、ゴッドママを返しに一家を訪ねると、丁度お祖母ちゃんが来て居た。恐らくは、娘である奥さんから手術のことを聞いて居たのかも知れない。やはり妊娠してました、と告げるや「ああ、良かった~」お祖母ちゃんは、余程にほっとしたのだろ。「本当は良かったって云っちゃダメなんだろうけどねぇ。可哀そうだけどねぇ」そう云って、床へぺたりと膝をついた。
術後の養生などについて一通り説明し、それでは…と帰ろうとしたところ、奥さんが財布を取り出して手術の代金を支払うと云う。数日前に話した折には、末息子が新入学で今月は色々と入用とのことだったので、私が一時立て替え、翌月支払いとすることでまとまったのだが、奥さんは一万円を差し出し「大丈夫です。お釣りは取って置いて下さい。少しですけど…」 この人、やろうと思えば、ちゃんとこう云う気遣いのできる人なのか。一寸でも疑ったりして悪かったかな。折角の気持ちである。快く頂いて帰って来た。

*1:片道約一時間を朝と夕、一日に二往復してくれた父に感謝。

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すぐそこの春

|日々|

「忍耐は仕事を支えるところの一種の資本である」

と、バルザックは云った。
ここ暫くは、仕事の外へ忍耐を求められて居たけれど、
是が己を支える資本であるのならば、
成る程。いつか、何かの助けとなろう。


少しだけ気持ちが軽くなり、久しぶりで稽古へ行った。
もうずっと、深く呼吸することをせずに居た。
たっぷりと息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。
繰り返して集中する内に頭の中が空っぽになる。
お腹の底の辺りからじわじわと、やがて指先へと流れてきて、
体の中を心地良く、気がめぐってゆく。


嗚呼、本当に久しぶりだな。こんなに清々とするのは。
鳩尾の辺りのつかえ。ちくちくとした胸苦しさ。
自らの抱えた事柄へ、更には時世も加わって、
閉塞感に身動きのとれぬ日々が続いて居たのが、
すうと霧でも晴れたみたいになったのだった。


ふと見やった農家の庭先が、光の中にふんわりと淡い。
春はもう、すぐそこまで来て居る。

モヤモヤ調査局 其の五

|雑記|


意外な展開と云うか、結末と云うか。
数日後に控えた二匹のメス猫の手術のため、件のお宅へチビ猫用のキャリーケースを届けに行ったら、奥さん「実はそのことなんですが…」え?な、何だ何だ?
曰く、旦那さんの知り合いに畜産農家を営む人が在り、一昨日の午後にその家へ兄妹猫三匹まとめて貰われて行った、とのことである*1。ああ、どうりで昨日はまるっきりチビたちを見掛けなかった筈である。そのことを知らせに行こうと思ったのだが、調子が悪くて起きられずに居たのですみません、と。しかしながら、ゴッドママの手術は予定通り行うので、段取り等を確認、しっかり念押しして帰って来た。

*1:”ネズミハンター”としての仕事も期待されてのことらしい。

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