双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

何もなかったわけじゃないけれど

|雑記|


ここひと月の間は、たちの悪い双六の中に居るよな感じだった。
ようやっと進んだー!と喜んだ矢先、引きずり戻らされ。
一喜一憂。一進一退、否。一歩進んで二歩、どころか何歩も下がり。
もがもが、じたばた。そんなこんなするうちに暦は九月を迎え、
鳩尾の辺りへ鉛が留まって居るよな、重苦しい心持ちは変わらず。
いつになったら、こんな堂々巡り双六から抜け出せるものか。

と、相変わらずの閉塞感の最中にささやかな善き風が吹き、
ほんの少しだけほっと息をついて胸をなでおろすも、
突然の線状降水帯の襲来に、只々呆然。凄まじき空襲の如し。
市内でもお隣でも、思いもよらぬよな場所が土砂崩れ&冠水。
駅前の通りなどはまるで川みたいになって、車が水へ浸かって、
あんなのは (ニュース映像以外で) 生まれて初めて見た。
嗚呼、本当におっかなかった。心臓がどくどくとなった。

知人の店が一軒、店内へ水が入ってしまったと聞いた他は、
店も住まいも大方の知人らの所も、幸い事無きを得たのだが、
いつも通る見慣れた道が土砂崩れ、崖崩れで通行止めとなり、
しかしながら、翌日にすっかり水が引いてしまえば、
それ以外の痕跡は殆ど消えてしまったかのよに見える。
人の暮らしは以前と変わらずに続いて居り、目の前の崩落の光景との
ギャップが大き過ぎて、何だかぼんやりと気が遠くなるのだった。
一昨日のあれは、いったい何だったのだろ。


何もなかったわけじゃないけれど、またぞろひと月が只過ぎてしまった。
動けぬからと云って動かずに居ると、本当に動けなくなってしまうかも知れない。
さてと。そろそろ動き出そうか。

|本|


Aちゃんが図書館から借りてきて読み終わったのを借りて読んで居る。

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