双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

何処かへ行きたい

|雑記| |日々|


早くに目が覚めて、意識のはっきりしたまま布団の中に居て、
程無く、猫らの御飯を催促する声に促されて給餌。
再び布団に戻るも、何だか二度寝も勿体ないよな気がして、
がばっと起床。窓を開けたら、外はもやもやと湿った薄曇り。
猫らのお世話の後、掃除。折角だから風呂場と洗面所もやっつけよう。
夜具を夏物に取り換えると、一気にさっぱりとなった。
洗濯機を回して居る間に店へ下りて、珈琲淹れてトーストを焼く。

箪笥の入れ替えを始めたら、是が思いの外に手間取って、
稽古を休むこととし、午後も引き続き家のことで過ごす。
この際だから、着物の箪笥も入れ替えた。
これから着る単衣を上に、袷は下へ大移動。
ついこないだ整理したばかりの気がするけれど、
仕舞い方や分け方など、結構いい加減だったことに気付き、
やれやれ…と己の粗忽を省みる。今度こそきちんと、きちんと。

午後三時半。遅めの昼ご飯は、ささっとつるっと素麺。
何だかもう、梅雨に入ったみたいな空だ。
食後にぼんやりと珈琲飲みながら、ふと思う。
そう云や、かれこれ一年以上、何処へも出掛けて居ないなぁ。
町を出たのは二回くらい、それも保健所へ書類取りに行ったり、
ガス台が壊れて、急遽大型店へ買いに行っただとか、そんなもの。
所謂「お出掛け」と云うものを、一切して居ないのだった。
家から出たところで、せいぜい半径3キロかそこいらの、
お医者だの、稽古だの、日用品や食料品の買い物だの。
よくもまあ、こんなにも長きに渡って、何処へも出掛けないで
平気で居られるものだと、我ながら感心しつつ、呆れた。
否。ちいとも平気なんかじゃ、ない。
そりゃあ、出掛けられるものなら、出掛けたいさ。
あの場所。あのお店。
会いたい人。行きたいところ。
ちょっと遠出もしたりしてさ。

只、自らの良しとする基準から、私自身が外れてはならぬ気がして、
物凄くストイックにそれを守り通して居る、その馬鹿真面目さよ。
きっと他所の人からしたら、まったく信じ難いことなのだろな。
まあ良いさ。そう思う奴は思え。
新型某禍を云い訳にして、所構わず傍若無人に振る舞い、
人を思いやれぬ身勝手や自暴自棄の、堂々と跋扈するこの時世。
馬鹿のつく真面目は、まさに絶滅危惧種に等しいのであるからして。

でもね。
嗚呼、やっぱり何処かへ行きたいなぁ…。

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