双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

若旦那のお小水沙汰 on Sunday Afternoon

|若旦那|


日曜午後。頼まれたコピーをとりに自室へ行くと、若旦那が厠の中でじいと硬直して居た。え!?でもって一点をじいと見据えたまま、後ろ足をフミフミ、尻尾がプルプル。早とちりかも知れぬので、それから二時間程の間、幾度も様子を見て居たのだけれど、やはりおかしい。うん、もう是は確実にお小水問題だ。となれば緊急だ。
ところが掛かり付けのお医者は、日曜の診療を午前中で終えて既に閉って居り、従って留守番電話へ事情を手短に残し、折り返しの電話を待つこととした。小一時間程してお医者から電話。詳細を伝えると、すぐに診て下さるとのことで一先ず安堵。午後四時。フォルゴーレ号の出動は、直前に降り始めた雨で断念せざるを得ず、しかしながら、幸か不幸か店が暇だったため(笑)、母に車を出して貰って一路お医者へ。


休診だのに、準備を整えて我々の到着を待って居て下さった。有難い。超音波を腹にあてて膀胱の内部を探ると、案の定、お小水で一杯。その上部には幾らかのストルバイト結晶らしきものが確認できた。やれやれ、またかい…お馴染みの展開である。ここ二週間ばかしは、若干いつもよか不活発かなぁ、と云う程度で、しかしながら、食欲もしっかり在ったし、勿論お小水自体も通常通りであった。只、一寸気になる行動が在るには在ったのだが、それはまた後程に記すとして、今回については直接の原因として思い当たる節が全く無く、食餌云々については以前にも書いたかと思うが、是が関わって居るとは甚だ考え難い。即ち、若旦那お得意の「原因不明」である(笑)。

早速に診察室に処置の準備が整えられると、局部にジェル状の麻酔を塗布し、カテーテルの挿入が始められたのだけれども、前回明らかとなった、若旦那の先天的な尿道先端付近の狭窄により、なかなか入って行ってくれない。細さの異なるカテーテルを三種類も試して、最も細いので何とかようやっと、ようやっと上手くいったのであった。一同、ほっと胸を撫で下ろし、先生は既に汗だくである。

その後は、膀胱内に溜まったお小水を全て排出させ、空っぽになったところで、今度は生理食塩水を注入して膀胱内を洗浄&排出。是を数回繰り返し、目視で結晶が無くなったと判断した後、更にもう一回やって終了。余程に疲れたのか、ほっとして虚脱したのか。この頃には、若旦那もすっかり大人しくなって居た。最後に膀胱炎のための抗生剤と止血剤の注射を打ち、飲み薬を八日分と処方食を出して貰って、無事帰宅。以前のよな入院措置とならなかったのは、発見が極めて早かったからとのことで、本当に良かった。

さて。今回、先生との話で出たのが「会陰尿道瘻術」と云う手術について。至極簡単に申すなら、尿道を広く短くする手術で、今後も同様の症状が繰り返される可能性を考えると、その方が良いのかなぁ、と。若旦那の尿道先端付近の狭窄様の変形は、恐らく生まれつきのものではないか、とのことだが、こうやって炎症を起こす毎に益々狭くなることも十分に在り得る訳で。問題のこの厄介な狭窄部分の存在が無くなれば、辛い症状も起こらなくなるだろうし、本人も快適に過ごせるのかも知れぬなぁ、と。まぁ、今すぐどうこうと云うのでは無いし、慎重な判断の必要な事柄であり、万一、再び同様のお小水沙汰となった際に、改めて検討すれば良いことである。否、次回は無いに越したことは無いので(笑)、万一万一。

ううむ。しかし何だなぁ。この月末に全く予定外の出費。いやはや参ったな。こりゃ、どうして遣り繰りしようかねぇ(笑)。

<