双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

独楽鼠のお裁縫

|日々|


ここ一週間程は、さながらマシーンの如く縫い物に没頭して居た。
「嗚呼もう!型紙とか待ち針とか面倒くさい!」など独り言ちつつ、
久々に買い求めた布地がかあいらしくて、何だか愉しくて、
布地を鋏でシャーっとやって、日がなミシンをダダダとかけ続け、
はたと我に返れば、あらまあ。実にどっさり小物が出来上った。

そもそもが、新型某禍の緊急事態措置の云々で、
要請の出た翌日から、ものの見事な開店休業状態となり、
掃除も雑務も余地を尽き、其処から更に延長が決まったことで、
すっかり労力と時間を持て余してしまって居るからなのだが、
だからと云って、只がっくりと落ち込んで居っても仕方が無いし、
何しろ、過ぎてゆく時間が勿体ないし、悲観に傾くのが嫌なので、
独楽鼠のよに、せっせせっせとマスクだの何だの小物を拵えて、
この堂々巡りな閉塞感を、力業で前向きに捉える他あるまいよ。

ちまちました小銭も、積み重ねればちょっとしたものとなろう。
何だかんだ結局は、手先を動かして居ないと落ち着かぬ性分。
即ち、救い難い貧乏性に因るところが大きいのだけれども(笑)、
要は何事も気の持ち様、と云うことだろか。
前と後ろ。どちらを向くかで、見える景色が全く違ってくる。
どうせ進むなら、木漏れ日のあったかな景色の道が良い。

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