双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

チャーリー・ブラウンと懐中しるこ

|縷々| |音|

Charlie Brown Christmas
郵便受けの郵便物を取りに表へ出ると、北からの風が
びゅうと音をたてて、乾いた落ち葉を巻き上げて居た。
思わずカーディガンの前立てをぎゅっと掻き合わせて、
灰色の空の下。すっかり色寂しくなった山を見やる。
品性だとか思いやりだとか、そう云うものに
著しく欠けた人は何処にでも必ず居て、しかしながら
実際に目の当たりにしたり、実際に接するとなると、
気が遠くなって、暫し茫然自失の空白に彷徨ってしまう。
何故、私が?と考えてはいけない。
たまたま厄日であったのだ、と納得するしかない。
そもそも理不尽とは、そう云うものなのだろう。
夜、店を仕舞った後。
カウンタ席に、へたりと寄りかかるよに腰掛けて、
チャーリー・ブラウンのクリスマス』を聴きながら、
懐中しるこを食べて、ひとり。ただぼんやりとする。

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