双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

想いの伝わって来る売り場

|徒然|


仕事が一段落した遅い午後。鉢植え用の鹿沼土が無くなってしまい、ちょっくら馴染みのホームセンターへ出掛けた。表の会計所でささっと用を済ました後、剣菱用のおやつを切らして居たのを思い出し、折角来たついでに店内の猫用品の棚へ向かったところ、うわ〜!!っと驚いた。こないだ来たのは、確か二週間ばかり前だったのだけれど、あれまあ。すっかり様変わりして居たのである。先ずは、何と云ってもドライフードの種類の充実ぶり*1
以前はおやつ類、ドライフード、ウェットフードが全て一緒になって居た通路の左側は、ドライフードのみの棚となり、今までは取り扱いの無かった、ピュリナワン、ビューティープロなどの”一寸良いフード”が新たに加わって居る。去年辺りにようやっと、サイエンスダイエットは置かれるよになったものの、その他は安価なフードがやはりズラーっと幅を利かせて居て、こうした”一寸良いフード”の入る隙が無かったのだが、いやはや。こいつは実に有難い。販売価格も定価よりお安いし、剣菱嬢のフードはここで買えるじゃないか。


その反対、通路右側の棚半分はウェットフードとおやつとで構成。こちらも種類が増えて充実し、同じ銘柄の品は、組合せ自由のビュッフェ方式と云うのかな。一つでも買えるが、三つ、或いは五つ以上買えば割引となる方式である。へへっ、何だか愉しいな。ぱっと見たところ、中ランクの品の取扱いが増えた一方、激安品は随分と減ったようで、馬鹿みたいな値段の謎のメーカーの猫缶は、どうやら消えた模様。又、棚のもう半分はケア用品だが、ここにも天然素材を使った商品が新たに加わったりと、ほんの一寸見ぬ間に随分とえらい変わり様だ。一体全体、是はどうしたことであろうか。
初めは単純に、世の猫ブーム(実に嫌な言葉だが便宜上)とやらに便乗してか、と想ったのだけれども、売り場の拵え方をしみじみと観察する内に、おや?是はもしかすると、そうとばかりも云えぬのじゃなかろか?と改まった。棚に置く商品の選択や位置への気配り。今までには無かったポップ等々。この猫用品売り場を預かる人の、並々ならぬ意気込みと意欲が、嬉しい程にバシバシと伝わって来るのだ。以前から、本当に少しずつでは在ったが、確かに、売り場担当者の「こうしたい」と云う想いのよなものが、うっすらと棚に反映されて居るのを感じては居た。メディファスに続いて、サイエンスダイエットの取り扱いが始まり、そして僅かに懐石シリーズが加わって。おもちゃコーナーに、自然素材を使った安全な品や海外メーカーの気の効いた品が加わって...。しかしながら、それが大きく前面へ出ることは無く、あくまでも安価な品々に押されて、あくまでもひっそりと置かれて居た。私はそんな地味で小さな変化に気付く度、きっとこの売り場の担当者は心底猫が好きで、自身も猫と暮らす人なんだろな。だから、他所の猫にもなるたけ良いご飯を食べて欲しいし、素敵で安全なおもちゃで遊んで欲しいんだろな。密かにそう想って居たのだった。
それが遂に陽の目を見たのだろか。こうして大々的に改善されて。幾ら担当者が望んでも、所詮は田舎町の小規模なホームセンターだ。安い大袋のフードや激安の猫缶パックが売れ筋で、客層だって在るだろう。第一、店の責任者である店長さんが同意せねばこうはならぬのだから、きっと彼、或いは彼女の熱意が店長に伝わって、それがようやっと実を結んだのだと想いたい。何故なら、猫ブームに便乗しただけじゃ、こんな風にきらきらとした売り場にはならぬであろう。棚自身が喜んで居るみたいだもの。もしいつか、この売り場で担当者らしき人物を見掛けることが在ったら、是非声を掛けて、お礼を伝えたい。有難う。とても良い売り場に変わりましたね、と。

*1:取り扱い銘柄に加え、同じフードでもライフステージや目的別の種類が充実。そりゃあ、品揃えは大きい店には及ばぬだろうが、この狭い売り場でよくぞ考えて頑張ったなぁ、と。

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