双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

稽古納め

|太極拳|

年内最後の太極拳
先週の稽古へ出掛けた際、舗装の荒い道を走行中、
古森号のブレーキシューに金属片が挟まったらしく、
ブレーキをかける度、リムに当ってキーキーと
おかしな音を出して居たのを思い出し、午前中に
シューを外して是を取り除き、ついでに久々の整備。
昼食後、ブレーキも快調に稽古へ向かう。
初心者組は、十式”雲手(ユンショウ)”へ進んだ。
年明けまで二回の練習日が休みとなるため、
皆が”雲手”を自主練習して居る間、
ベテランYさんに個人指導をお願いして、予習のために、
十二式から十五式までの流れを、ざっくり教えて頂く。

十二式:高探馬(ガオタンマー)
十三式:右蹬脚(ヨウドンジャオ)
十四式:双峰貫耳(スァンフォングヮンアル)
十五式:転身左蹬脚(ズァンシェンズオドンジャオ)

”単鞭”と”雲手”もそうなのだが、この四つの套路
個別にバラバラで覚えるよりも、一つの流れと云うか、
”つながり”で覚える方が、ずっとやり易い気がする。
二十四式もこの辺りから、套路の難易度がぐんと増し、
しかしながら、それだけに取り組み甲斐も在るので、
休みの間に、しっかりと練習しておきたいと想う。


さて。実は先月に一名、本日一名の計二名が退会し、結果として当初の人数に一人増えただけとなった。因みに、前者は新加入組の女性で、この方は早々に脱落した格好なのであるが、後者は件の物云いのはっきりしたTさん。彼女の場合、脱落では無く、ようやっと「自分にはコレだ!」と云うものが見付かったため、折角愉しくなってきたところで残念だけれど、どうしても全力でそちらへ専念したい、との理由なのであった。
裏表が無い故に、きつい言動が誤解を招くことも在るが、さばさばとして個性的なTさんは、他の新加入及び初心者生徒さんらとは、やはり一風違った。彼女たちの多くが専業主婦として長くを過ごして来た中に在って、一昨年の定年退職までは、第一線でバリバリ仕事をして居た人で、一人で何処へでも行くし、一人で躊躇無く行動も起こせる、実に独立心旺盛な人。定年後、知人に誘われて公民館クラブ活動などに参加してみたものの、内容そのものは愉しくとも、女性集団特有の”べったり”した感じや、そこから来る面倒な人間関係、馬鹿らしい妬み、何事も「誰かと一緒じゃないと...」と云うよな雰囲気には、最後までどうしても馴染むことができず、結局はそちらも退会したと聞いた。嗚呼、その気持ち。実に良く分かる。
「ホビ野さんはさ、私らの中じゃ一番若いし、一番熱心なんだからさ。どんどん先に進んで頑張ってマスターしてよね!私もあっちで頑張るから!」うん、頑張るよ。Tさんがようやっと自分で探し当てたものは、私にとっての太極拳と同じなのだなぁ。Tさんがここを去ると、正直少しホッとする人も居るだろうけれど(笑)、私はやっぱり寂しい。Tさん。長い間探して居た”コレだ!”が見付かって、本当に良かったね。だって只、何も考えずに流されながら過ごして居るとしたら。一人じゃ何もできないとしたら。それはいつまでも見付からないもの、ね。

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