双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

小屋づくり 其の二十四

|小屋仕事|


【日曜日】
小屋の完成まで、あと一歩。塗装を終えた外壁材の上から、四隅にはコーナー板を。窓周りには化粧板を取り付ける、大詰めの仕上げ作業である。今日も出勤前の午前中に、一時間半程の時間を作って作業へあてることとした。
材料は何れも厚さ20mm、幅90mmの杉板を。塗料は窓枠同様『カンペハピオ 油性木部保護塗料』の”ピニー”を使用。


化粧板は予め加工したものに、前述の塗料で塗装を済ませてあるため、後は其々を各所へ取り付けるだけにしておいた。少しの時間も無駄にせず、段取りを整えておくことは大切である。大小二つのサッシ窓枠の周りへ、其々ビスで留め付ける。ところがここで、大窓上部の化粧板の寸法を間違えて居たことが発覚。見栄えで両端を20mmずつ出すところを、ぴったりの寸法で拵えてしまったのである。別段、このままでも構わぬのだけれど、小窓の方はきちんと両端を出してあるので、できれば同じに揃えたい。折角だが、直ちに拵え直すこととし、作業台と丸鋸を持ち出し、杉板に寸法付けして今度は慎重にカット。作業台の上を片付けたら塗料を準備。カットした杉板を塗装する。どのみち取り付けは二回目の塗装が乾いてからなので、ここだけ明日に持ち越しである。トホホ...。切りの良い所で、出勤前の作業は一先ずお終い。
午後は案の定、バタバタと忙しく、四時頃になってようやっと落ち着いて来たので、暇を見計らいコーナー板の取り付けへ。こちらも前もって、組み立てと塗装を済ませてあるため、脚立に上って四箇所のコーナー部に、外壁材の上からビスで留め付けるだけ。それから北壁と南壁の一番上へ、勾配なりに角度を付けた化粧板を取り付け、板と板の合わさりに出来た隙間には、コーキング剤を埋めて処理した。
最後に東側の大窓の下へ、設備屋氏から貰ってあった新古品のサッシ水切り板の取り付け。因みに、この段階での取り付けとなったのは、例のブロック塀による”蟹歩き”問題によるもので、最初に付けてしまうと云うと、その蟹歩きすらままならぬから、である(笑)。端が僅かに窓枠板に干渉するため、金切り鋏で10mm程カットしたものをサッシ下に挟み込み、ビス位置に下穴を開けてからビス留め。一時間程で午後の作業を終了し、片付けして本業へ戻る。


【月曜日】
墓参りへ出掛ける前に、昨日拵え直した化粧板を一枚、大窓の上部へちゃちゃっと取り付け。二回目の塗装は、板をビス留めした後に施した。秋晴れの空の下、放っておけば勝手に乾いてくれよう。
と、是にて最後の仕上げを全て終え、小屋作りも九割九分完成と相成り候。わーい!目出度し、目出度し!


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仕上げの化粧が済んで、小屋が(九割九分)完成したヨ!の図。
ご覧の通り、是でもう、すっかり小屋の佇まいです。

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何故”九割九分”なのか?は後程に説明するとして、いやはや。思い起こせば、四月の末に始まった小屋づくり。ときにしんどく、ときに愉しく、小さな失敗も多々在り、長い厳しい道のりではありましたが、何とかかんとか完成まで漕ぎつけたことを、こうして皆様にご報告できるのは、実に実に喜ばしいことであります!本当に一人で是を建てたのだなぁ。ここまで音を上げずに、よくぞ頑張ったなぁ。などとしみじみ感じ入り、しかしながら、お古の工具や半端の材料、廃材などを提供して下さった、叔父、大工さん、設備屋氏。外壁の杉材をまるっとプレゼントして下さった材木屋さん。それと、要の基礎仕事を引き受け、梯子を拵え、軽トラで材料を運んでくれた、父。こうした人たちの好意に支えられて出来上がった小屋は、決して私一人の仕事では無いのであります...。多謝。



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当初は少々気後れした黒檀色(エボニー)でしたが、実際に塗装してみると、かなり落ち着いた雰囲気で実に素敵です。杉の木目も風合いも、十分に生かされた仕上がりとなりました。どうでしょう、何と無く”プロスペクト・コテージ”(”黒焦げ荘”じゃないヨ!)風になったかしら?

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勾配の付いた北側と南側の外壁の一番上(白い破風板の下の部分)にも、仕上げの化粧板を取り付けました。他の化粧板と同じピニーで塗装する予定でしたが、全体のバランスを考えた結果、外壁と同色にして正解。


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さて。ぼちぼちお気付きの方もいらっしゃろうかと想うが、実は肝心のドアの取り付けが未だなのである。と云うのも、知り合いの設備屋氏に依頼してあった、中古のサッシドア。是をこちらの寸法に合わせて加工して頂く筈だったのだけれど、苦心して見付けて来て下さった廃材を幾つか試しても、なかなか上手いこと加工ができぬと分かり、妙案の浮かぶまで棚上げとなって居たのであった。ところが先日、多忙の設備屋氏から「親類のサッシ屋が二万円程でオーダー製作してくれると云うが、如何されるか?」と打診の連絡を頂戴し、暫し思案した後、折り返し電話して、結局是をお願いすることとした。
意外と知られて居ないが、サッシ類と云うのは建築予算の中でもかなり高額な割合を占めるもので、一寸した変哲無い既製品のサッシでも、実に数万円するのである。それを、しかも誂えで拵えて下さって二万円とは、実に有難いお話ではないか。当初は廃材を使う予定であったから、当然予定外の出費になるとしても、外壁材の予算がまるまる浮いたことでもあるし、お願いせぬ手はあるまい、と。後日、わざわざサッシ屋さんが、改めて正確な寸法を測りに来て下さり、出来上がり次第届けてくれる、とのこと。
そんな訳で、ドアの取り付けが済むまで、小屋完成は一先ずお預けなのである。次回の最終回(?)をお愉しみに...。

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