双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

小屋づくり 其の十六

|小屋仕事|


【火曜日】
屋根材を葺き終え、いよいよ屋根作業も、板金加工を伴う片棟包みの取り付けを残すのみ、となった。取り掛かるまで全く気乗りしなかったのだけれど、きれいに上手くやろうと考えるから気が重い訳で、どのみち素人なのだし、きれいに加工できずとも構わないのだ。見た目は潔く諦めて、兎に角何とか形になれば良いのだ。と割り切ったところで、ようやっとやる気になったのであった(笑)。叔父の所から貰って来たこげ茶の棟包みは、六尺が三枚。先ずは切妻用に開いた角度を片棟用にするため、太材を挟んで角を合わせ、当て木の上から叩いて直角に。完全に直角にするのはなかなか難しく、手も使ったのだけれど、案の定所々ベコベコに...。まぁ、棟側は目立つ場所ではないので、気にせず進める。続いて左右の二枚分の破風板と接する両端を、板金鋏とツカミとを使い、破風板を覆うよに加工する。


板金加工に軍手は必須で、一寸尖った所へ素手が当っても簡単に怪我をする。鋏で切り込みを入れ、不要な部分を切り落とし、ツカミで折ったり曲げたり。仕上がりはかなり不恰好だが、何しろ是が精一杯なのである。加工が済んだ棟包み二枚を屋根へ運び、下地の瓦桟に合わせて、屋根材も一緒に端からビス留めし、棟板側も垂木の入って居る箇所にビス留め。中央の不足部分には60cmにカットした棟包みを被せて同様にし、合わさりには同色のコーキングを施す。ウレタンシートでせっせと拵えておいた面戸も入れて、最後に両端の加工部分を破風板に留め付け、ここにもコーキング。ビス留めの際に、切り口に引っ掛けて指を怪我してしまったが、何とかかんとか苦労しながら片棟包みの取り付けが完了。


【木曜日】
前回面戸を入れた所、屋根材と棟包みとの隙間にみっちりとコーキング。その後でキャップを点検して廻り、緩かった箇所はペンチで蓋を外して再びビスを締め直した。雨が降る前に、どうしても済ませたかった棟包みが片付き、細かな箇所のコーキングが終わって、是で屋根作業も終了。肩の荷がドドーっと一気に下りた。次はいよいよ仕上げに向かってまっしぐら、の外壁作業へ移る訳だが、歳相応の疲れも溜まって居るし、一段落ついたここいらで暫くお休み。しっかり充電して、小屋づくり再開としたい。


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片棟包みの取り付けが終わったヨ!の図。

嗚呼、清々した〜。最も気乗りしなかった辛い作業を終え、是で屋根仕事が完了しました。もうね、お箸を持つ手もふにゃふにゃです(笑)。垂木を乗せる辺りから、段々と一人作業が苦しくなってきたのですが、これが一山越えると云うことなのね...と、踏ん張って耐えましたヨ。日に焼けながら汗して頑張った甲斐が在りました。



【左】片棟包み。上から棟包みを被せたら、屋根材と一緒にキャップを装着したビスで留めます。波の隙間には、ウレタンシートで拵えた手製の面戸を入れてあるのですが、きっちり納めるのに少々難儀しました。まぁ、屋根に上らぬ限り細部は殆ど見えないので、良しとしましょう。
【右】端の始末。板金の加工は思った以上に難しくて、眉間にしわ寄せ寄せの作業でした。実に不恰好な仕上がりですが、もう是で勘弁して下さい...と(笑)。


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【左】板金加工の試作。いきなり実物に手を着けるのは無理!と、前もってボール紙を使って塩梅を探っておいて正解でした。とは云え、ガルバリウムは、そう簡単には切ったり曲げたりできないのですけれども...。
【右】是がオンデュリンの専用防水キャップ。蓋付きのキャップにこんな感じでビスをセットし、屋根材へぴったり密着するよに留めたら、最後にビスの頭の上から蓋をパチン、と閉めます。蓋は固くて結構力が要りました。

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