双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ならばDIY

|モノ|


猫タワーと云うのは、読んで字の如く「猫のタワー」である。
馴染みの無い方も居られようから、大雑把に是を説明すると、室内に暮らす猫に必要な上下運動ができて、ちょっとした休み場ともなる、云わば運動器具も兼ねた遊具みたいなもので、大抵の場合、円筒形の柱の部分には麻縄が巻きつけてあり、是が爪とぎとなって居る。元来が狩猟動物であった猫らにとって、爪は大切な道具であり武器。かつてのハンターが家猫となって久しい現代、狩りをして暮らす必要こそ無くなったものの、やはり習性から爪とぎと云うのは実に欠かせぬもので、一日に幾度も是をガリガリとやっては、念入りに爪を手入れしたり、或いは気分転換を図るなどして、日々ご満悦なのである。しかしそれも毎日のこととなれば、当然、巻かれた麻縄は次第に痛んで毛羽立ち、やがては、ぼろぼろと解けて爪とぎとしての役割を失ってゆく。気の利いた会社の品だと、交換用のパーツが別売りで用意されて居り、拙宅の二つ在るタワーの内、大きい方の”1号”にはシート式のスペアが存在するので問題は無いが、小さい方の”2号”は案の定、そうした交換ができず、しかも今回ボロボロとなってしまったのが、この2号だから、さて困った。どうしよう、と。
しかし、困ったところで交換が出来ぬのだから、どうしようもない。どうしようもないけれど、どうしようもなければ、どうするか。ならばDIY、自分で修繕するしかあるまいよ。と云うので、ホームセンターへ出掛けたついでに、6mmx30mの園芸用麻縄を一玉買って来た次第。猫が主に爪とぎに使うのは柱の半分から上の方だけなので、何も全ての縄を解いて巻き直す必要は無い。痛んで解けた箇所までの縄を柱から外し、其処から新たな縄を巻き付ければ良いのだ。尤も柱を取り外すには、一旦タワー自体を分解しなければならぬが、幸いにも今回痛んでいたのは最下段の三本だけであったから、分解も一部のみで済んだ。
バラした柱から先ずは留め具を抜き、縄の傷んだ所までを外してカット。縄端を配線用のステイプルでしっかりと留め、ほんの少し重なるよにして新たな縄の端も同様に留めたら、後は最後まで、縄が緩まぬよにしてギッチリ巻き付けてゆけば良い。巻き終わりもやはりステイプルで留め、念の為、ぐるりと数箇所タッカーで針を打ち付けて、先ずは一本終了。是と同じ作業をもう二本。
交換したところだけ色が違って居るのはご愛嬌、として、ふむ。なかなか首尾良くいったのじゃかなろかね。ちなみに掛かった修繕費用は八百円程度、麻縄も後二・三回分程は残って居る。お安いものである。


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この度修繕した猫タワー2号。

【左】今回は麻縄の色がちぐはぐだが、組み立ての際、新たに巻いた方が下に来るよに柱の上下を逆にしたため、次回の修繕時には同じ色となる、と云う寸法。ちなみに、ご覧の滑り台(?)様の爪とぎも在るのだが、何故だかこちらは全く使われて居ない(笑)。
【右】麻縄の繋ぎ目。巻き初めと巻き終わりは、手持ちの配線用ステイプルでしっかり留めて処理。なるべく爪を当てられぬよに、この継ぎ目の在る部分はタワーの内側へ持って来た。


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猫タワー1号。


片やこちらのタワーの爪とぎはシート式なので、好きな位置の柱に巻き付けられる。リバーシブルで両面使えて実に経済的な上、いよいよ駄目になったら、スペアの替えシートが別売りで購入できると云うのも有難い。

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