双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

散髪と早足と釣瓶落とし

|雑記|

停滞気味の心身を、散髪で少しなりともさっぱりと。
身支度して、昼の頃に家を出て、
途中から神社の在る森の方へ道を折れて、
早足ですたこら歩く。兎に角、すたこらと。
早足の理由は、時間が無かったから、である。
森の中の細道は車も人も居ないので、
鼻歌を口ずさむも良し。
独り言を口に出すのも良し。
好きな風にして歩けるのが、好きだ。
小高い山の上の学校は、丁度昼休み中だろか。
校内放送でフルートの音楽が流れて居た。
うっすら汗ばんできて、上着を脱いで坂を下る。
陸橋の手前で、知り合いの小父さんと出くわし、
一寸立ち話して居たら、予約の時間がすぐ其処。
慌てて小走り。何とか時間までに間に合って、
いつも通りの塩梅に整えて頂いた。満足。
身なりがきちんと整えば、不思議と心持ちが晴れる。
滞って居た何かが、少しだけ動き出しそな。
雨の後の、すっきりと塵の払われた山景色のよな。
その足で歯医者へ向かい、歯科検診。
特に問題も無く、一通り掃除をして頂いて終了。
前歯の間を些かすうすうさせながらの帰り道に、
要り様の品を幾つか買い求めた後、再びすたこら。
腹を空かせた猫らの待つ家に、早足で戻る。
釣瓶落としの、十一月の宵口。

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