|日々|
日中は、晴れなのだか曇りなのだか
はっきりしない空模様が続いて、
夕刻近くとなると、決まって雨が降り出す。
こんな調子の日々が、暫く続いて居る。
おびただしい羽蟻の群れにうんざりとし、
蜘蛛の巣の微かに揺れるのを、只
何とは無しに、ぼんやりと眺めて居ると、
何処かから、灯りに吸い寄せられるよにして、
一匹のアメリカシロヒトリが視界に紛れ込んだ。
よらよらと不気味に青白く、心底ぞっとする。
まるで死んで居るみたいな生き物、と想う。
汗の冷えた首筋は湿って鈍く、
夜具を減らした分だけ、夜は心許ない。
梅雨は未だ明けない。