双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

独逸君

|モノ| |雑記|


件の丸眼鏡であるが、見目同様かけ心地も実に宜しく、
早くも馴染んで、すっかり気に入りとなった次第。



濃淡の在る、程好い濃茶が落ち着いた佇まい。レンズは一見すると真丸だが、横幅に比べて上下が数ミリだけ短くなって居る。全体的に中ぶりの作りで、レンズの大きさ以外に不安材料の一つであった一山ブリッジは、幅も広過ぎず位置も丁度良く、着用中にズレて落ちてくることも無い。その上、四千円程の価格であるにも拘わらず、大変しっかりと細部まで良く考えて作られて居て、ちいとも安っぽくないのが素晴らしいではないか。
さて。愛着を持つには名前が必要。何となく漢字にした際の字面が好きなので、是を”独逸”と名付けることとする。


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ところで。
丸眼鏡の肖像を電脳世界に探ってみると云うと、山本周五郎に百けん先生、堀辰雄中島敦らの文人から、古川ロッパ等々。当然のよに殿方ばかりが居並んで、女性の極端に少ないことに気付く。ふむ。やはり丸眼鏡は、圧倒的に殿方向きのものなのだろか。まして今の世ともなると、一般女子の志向は何しろ”モテ”と”男子ウケ”に尽きるのだからして、丸眼鏡がその対極に在ろうことは、云わずもがなである。しかし、モテだのウケだの流行だのと、そもそもが、そうした時流とは端から外れた境地に人生を過ごす者にとっては、何事においても好きか嫌いか。或いは、快いか否か、が最も大切な指針であるので、何をどう云われようと、ちいとも構いやしないのである。ホホホホ・・・・・

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