双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

悪足掻き

|日々|


春霞に便乗したものか。
やれ花粉やら砂塵やら埃やら、
煩わしいのばかりが揃いも揃ったり。
山の姿などはすっかりこれらに埋もれ、
稜線すら殆ど確認できぬ有様であり、
其処へ暴力的春の嵐が吹き荒れれば、
さながらカオスの如き様相と相成り。
是だけ派手に好き勝手されれば、
マスクと眼鏡とで防備を整え、
薬を含み、目薬などさしたところで、
どだい効果の程度は知れて居る。
顔は何処も彼処も鬱陶しいばかり。
出来ることなら、目一杯の奇声をあげ、
是を一気にぐしゃっとやりたい衝動に駆られ、
こと、しょぼしょぼの眼に至っては、
実際には只の半開きであっても、その心持ち、
差し詰め藤子漫画のワンダユウの如し。
嗚呼、人とは斯くも出来の悪い生き物である哉。

幾度でも云おう。
春は嫌いだ。

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