双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

四角い蛙と金木犀

|日々|


逸れた台風の尻尾の名残りか、
朝からむわんと汗ばむよな陽気。
けれども午後に入って、
西の方から大きな雨雲が近付くと、
空が段々に暗くなる。程無く、大粒の雨。
幾度かの降ったり止んだりが続いて、
宵の頃には、いつの間にか終わって居た。
表へ出て、蛙の居場所を確かめる。
相変わらず四角い図体で、植木鉢の縁。
雨上がりのひんやりとした夜風の中に、
微かな、一握の、金木犀の匂いがした。
何処かで犬が、くんと鳴く。

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