2011-09-01 Blue |縷々| したたか打ったところを、上からぎゅうと押されるよな。 切り傷をつくったところへ、苦い塩を塗られるよな。 こちらが己で重々承知のところを、物云わず真後ろで つつかれるのは、なかなかに堪えるもの、と想う。 宵口の空は、吸い込まれそな深い深い青だった。 東のほうから生温い湿った風が、のっそり流れてきて、 鼻先の重たい感触には、海の匂いが微かに混じって居た。