双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

Blue

|縷々|



したたか打ったところを、上からぎゅうと押されるよな。
切り傷をつくったところへ、苦い塩を塗られるよな。
こちらが己で重々承知のところを、物云わず真後ろで
つつかれるのは、なかなかに堪えるもの、と想う。


宵口の空は、吸い込まれそな深い深い青だった。
東のほうから生温い湿った風が、のっそり流れてきて、
鼻先の重たい感触には、海の匂いが微かに混じって居た。

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