双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

夕立

|日々|

開け放った昼の窓から、すうと一つ風が入り込んで、
微かな気配に鼻をくんとやると、みっしりとした
積乱雲が雨を連れて来た。照りつけるお天道様で
熱く焼けた路面から、むうと埃ぽい匂いが立ち昇る。
うん、嫌いじゃないんだ。この匂い…。*1


FMラヂオからはドビュッシー
涼やかな旋律。跳ねるよに。
珈琲を淹れてひと休みした後、掃除などして過ごす。
日の長い夕刻に外へ出ると、空の低いところから
くぐもった雷の唸る音がする。
そろそろ一雨、ざあと来るか。
使いの帰り道は案の定、暴れる夏の夕立に出くわして、
突っかけた駒下駄の歯を前倒しに小走りする。
傘はさしたけれど。嗚呼、ぬれてしまったなぁ。

*1:長屋のご近所さんに、まったく同じことを想った人が居たよ。嬉しい。

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