双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

|日々|


いよいよ冬だよ。と、空気が告げただろか。
鉛色の空に、雲が寒々と滲む。
夜具のシーツを、フランネルのものと取り換えた。
手持ちの毛織の布から拵えた、新しい湯たんぽの
カバーは、英国紳士の顔した深緑の格子柄で、
ふと、狩猟好きの紳士のかむった、鳥打帽を想う。
小さな火。ふつふつと音をたてる丸い鍋の中に、
もう、冬の匂いが生まれて居る。
あたたかな、匂い。
冬の色。

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