双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

インスタントコーヒーになる前

|本|


連休のようなときの、一日の流れというのは
いつもと勝手が違うので、どうも調子が狂う。
だから正直、連休が終わる頃になると
少しばかりほっとするのです。
昨日から、大島弓子を読んでいる。
パスカルの群れ」の中で、
主人公の公平は、幼なじみの少女結から
ワンピースを借り、女の子のふりをして
憧れの君を見守る少女たちの中へ入ってゆく。
自分の気持ちと、彼女たちの気持ちが、
同じものであるかどうかを知るために。


  思いあこがれ
  後をおう 彼女たち
  音をたてないように
  気づかれないように
  ひとつ距離をおいてこそ
  たましいは彼によりそう
  彼女らは
  自分の心臓の音さえ
  気をつかって
  歩くのだ


切なくけなげな恋は、実を結ばない。
そう、乙女心というものは、
必ずしも、少女だけのものではないのです。


  電気の中の
  ツマグロヨコバイ
  闇夜にでれば
  たすかるものを


こんな繊細な心、大人になるにつれ
忘れてゆくものなのですね。

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