2017-03-13 あわいにて |縷々| 花冷え。薄曇り。風は強し。 白湯をちびちびと飲んで、ぐぐっと背伸びする。 久々の稽古へ向かう道すがら、農家の庭先。 花を終えつつある姿の良い梅の木の隣で、 寒緋桜がふっくらとした蕾を待たせて居る。 未だ少し寒々しい庭景色の中を、 丸々太った雄の茶トラが、悠々と横切る。 ちらり。こちらを一瞥した気がしたけれど、 くしゃみを二回して振り返ったら、もう居なかった。 三月の或る日。季節と季節のあわい。