双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

清々

|日々|


昨晩に小さく開けたまま眠った窓から、不意に肌寒い
くらいの風がすうとひとつ、入り込む。枕元の時計を
大儀に見やると、未だ四時半だった。そのまま再び
眠りへと戻る。台風一過。温帯低気圧の去り後。
十時に起床してすぐに、窓と云う窓を全て開け放ち、
湿ってばかりだった部屋の中へ、ようやく清々と乾いた
風を通す。箒を掛け、床を拭く。久々の布団を干しに
表へ出れば、お天道様の下で手摺が熱い。けれども。
前髪と額の間を抜けてゆく、からりと澄んだ空気には、
確かにあの馴染み深い、秋の始まる気配が在った。

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