双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

歩く姿

|雑記|


人の歩く姿をしげしげ観察すると云うと、先ず、
背筋をピンと伸ばして、颯爽と歩く人は少ない。
未だ歳若いのに、べったらべったら歩く人。
格好は若作りでも、猫背に年齢の隠せぬ人。
ヒールの高い靴を履きながらも、膝が曲がって
みっともない前のめりの歩き方になって居る人。
斯く云う自分も歩き方のならぬ一人で、
気を抜くと、靴底の外側ばかりが減ってしまう。
特に腰を患ってからは腹筋と背筋、それと何より
体幹を鍛えねばならぬなぁ、と痛切に感じて居り、
歩くときにも、下腹の丹田の辺りを意識しつつ、
背筋を伸ばすことを心掛けたいとは想うのだが、
十分も経つと、つい忘れてしまっていけない。
先日、バス停の近くに見掛けた女性は、
久々に美しい歩き方を心得た女性であった。
見たところ、恐らくは五十代半ば程だろか。
白のブラウスに、紺色の膝下丈のスカート。
品の良いつや消しの黒いハイヒールを履き、
姿勢宜しく颯爽と歩く姿に、惚れ惚れとした。

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