|雑記|
主に住環境などの理由から、犬と暮らす機会には
恵まれぬまま、今日に至って居るのだけれども、
もし叶うのであれば、シベリアン・ハスキーが良い。
オオカミにも似た精悍な風貌も魅力だが、
何より橇を引く、と云う役割を与えられた、
働く犬であるところに、強く惹かれる。*1
彼らのよな橇犬にしろ、牧用犬にしろ、
昔から人の営みの中へ自然と溶け込んだ在り方、
そう云う犬と人との間に結ばれる無二の絆に、
私は遥々と憧れるものである。
しばしば人の世では、或る特定の種ばかりが、
突然に持て囃されては、瞬く間に忘れ去られてゆく
実にけしからん、悪しき風習が見られるが、
かつてのシベリアン・ハスキーも又、
人の勝手な欲に振り回された犬であったろう。
動物の種類に”流行”などと云う、浅はかなものの
在ることが理解できぬし、そもそも在ってはいけない。
犬であれ猫であれ、生き物である彼らは、
人が自らの虚栄心を満たしたり、空白を埋めたり、
お飾りとするために存在するのではない。
共に暮らし、生き、絆を結び、営みの中で役割を働く。
そんなシンプルなことが、ままならぬ世の中である。
*1:住環境は元より、風土気候の問題やら何やら在って、結局無理なのだけど...。