|縷々|
つい先週あたりまでは、十一月の勢いを引きずった格好で、
例年よりも良い具合に活気が在ったのであったが、
いよいよここへきて失速、急にすとんと暇となってしまった。
ついでだもの、今月いっぱいは忙しくても良かったのになぁ。
年末の掃除には丁度かな、と開き直って窓拭きだの換気扇だの。
それにしても、近年の巷のクリスマス色の薄さときたら。
大型小売店も商業施設も、それらしきはBGMくらいのもので、
既に正月関連が優先だったりと、何やらひどく寂しい塩梅であった。
いつ頃からかな。クリスマスの色が段々に薄くなってきて、今や
世間的にも商業的にも、すっかりハロウィーンに取って代わられた。
まぁ節操がないと云うのか、流されやすい国民性と云うのか。
大手を振って馬鹿騒ぎができる都合の良さも在るのだろ。
人って勝手だな。なんて、皮肉っぽく溜息ついたり。
相変わらず、身の回りは地味なものである。
何処か遠くへ行く予定もなく、大きな買い物の予定もない。
若い人たちの顔が同じに見えて、K-popグループの区別もつかない(笑)。
過去の記憶、過去の音、過去の人。過去のあれこれに囲まれて、
ふと気付くと、何だか昔のことばかり思い出して居る。
今現在の中に在っても、過去に生きて居る気がする。
未来に心が向かわないとか、そう云うの、駄目なのかな。
なあんてことを、行きつ戻りつ考えたりしながら、
Aちゃんに借りた『すいか』のDVDをちょっとずつ観て居る。
ちょっとずつ観て居て、とうとう残り二話になってしまった。
夏の終わりに観るドラマだのに、何故私はこんな冬の季節に、
しかも年の瀬の押し迫った頃に、このドラマを観て居るのだろ。
ただ、ひとつ確かに分かったこと。
私のなけなしの感受性が、未だ健気に生きてるってこと。
くたくたに草臥れてるけれど、大丈夫。死んでなかった。