双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

残暑逍遥

|雑記|


何やかや、すったもんだ、あっちもこっちも、で八月をおくり、
ようやっと人心地ついたところで、九月が数日経過して居た。
八月に入ってからは、人の出が戻って僅かな安堵を覚えるも、
案の定、またもや不意のあれこれが飛び込んで来る始末。
やれ、何度目だ。叔父の緊急入院及び緊急手術だの。
やれ、猛暑の仕業か。不調となったPCを修理に出すだの。
挙句、今や恒例となった若旦那の謎のゲーゲー沙汰だの。
バタバタ気忙しいのと、馬鹿暑いのとも相まって、
心に少しの余裕も無いままに、車窓に流れる風景の如く、
しゅるる。ひと月が過ぎていったのだった。


午後。ふと気付くと、いつの間にか日が短くなって居る。
じりりと照り付けはしても、風の中に秋が混じって居る。
夜になれば、秋の虫たちがサラウンドで鳴いて居る。
蛇口を捻って出て来る水は、相変わらず生温いけれど、
確実に秋が近づいて居るな、とうっすらの気配を感じ取る。

一昨日に拵えた即席の漬物が、丁度良く漬かった。
塩揉みした胡瓜と茄子の薄切り、刻んだ生姜と青紫蘇を、
三温糖と出汁粉少々を足した赤梅酢に漬けただけ。
うんざりの残暑に疲れ、くったりとなった心身へ、
しゃきしゃき心地よい歯ごたえと、青紫蘇の清涼感が沁みた。

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