双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

十二月の雨、海の道

|散輪|


月曜正午。気温5度の曇天の中、二週間ぶりの散輪へ出ると、出立して間もなしに小雨。天気予報も雨雲レーダーもチェックして、夕刻までは大丈夫と云うので出てきたのに。引き返すのも癪なので少し様子見してから決めよう、と一つ坂を登った先で雨が上がった。
海沿いの旧街道を走る。鉛色した風景は”ザッツ・冬”と云った感。途中から団地を抜けて国道へ出て、某作業着店にて買い物を済ませると、空模様がかなり怪しい。買ったばかりの荷物を袈裟懸けに背負い、も少し先まで足を伸ばす予定を変更、そのまま引き返すことにした。すると案の定だ。国道から旧街道へと戻り、半分行くか行かぬかの辺りで、ざあと降ってきやがった。時刻はまだ午後一時半と云うのに、止む気配の微塵も無い、本気の降りと見える。しかも復路は、例によって向かい風なのであった。

冷たい雨に降られながらの散輪は、往復31キロ。帰宅するとすっかり体が冷えて居て、堪らず風呂の用意を急ぐ。風呂の沸くまでの間に珈琲を淹れて、ようやっと人心地ついた。全く散々だったか、と云えば案外そんなことも無くて、思いの外、疲れもせずにかえって清々として居て意外なのだった。やれやれ、馬鹿だねぇ(笑)。



鉛色の海と空。風は冷たい北の風。暦は師走。

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