双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

海の道 その先へ

|散輪|


こないだ走った海沿いの旧街道 (海の道 - 双六二等兵) 再び、である。
前回引き返した少し先、国道バイパスとの交差点をそのまま直進すると、バイパス以前から在った元々の浜通りに繋がると知り、それなら話は早いじゃないの、と早速走って来たのであった。家事を済ませて支度して、午前10時40分出立。越境して国道を横断、旧街道へ入り、表通りから一旦逸れて件の小さな漁港で脚を緩める。


海と空と秋の光と。水面がきらきら、見飽きることが無い。


潮の匂いの混じる海風に吹かれながら、清々しい気分で海の道を行く。前回の引き返し地点辺りまで来ると、道路拡張工事は未だ絶賛続行中。しかもグラベルどころか、ゴロゴロの砕石&砂利に泥水まで加わった、コブだらけの愉快なアドベンチャーコースと化して居る始末(笑)。心中で悪態つきつき、俄かコース道を苦々走り切って舗装路へ戻れば、バイパス交差点まではもうすぐである。新しくできた大型商業施設の駐車場入り口を横目に、丁度青になったばかりの交差点を渡り直進して程無く、あー成程。ここへ通じる訳ね、と納得。海岸の方へ道を折れると、おお!頭上にバイパスが!ドライバーの皆さん、どうも広くて新しい道がお好きなようで、いやはや。ビュンビュン威勢良く飛ばして居られますが、こちとら暢気なチャリ道中、お古の道をのんびり参るのであるヨ。

道が知れれば、市街地方面へアップダウンを繰り返しながら進むのみ。駅の少し手前、工場横の踏切手前までは緩い登り坂がだらだらと続くも、登り切ったところから目の前に開ける景色ったら!ついさっきまで頭上に在った筈のバイパスが、ここからは眼下に見えるんだものなぁ。でもって背景はひたすら太平洋ダYO!しかしよくもまぁ、わざわざチャリで来たものだ。電車に乗ったら駅三つ、20分足らずで着くのにねぇ(笑) 。*1


坂の上の細道から海を背景にバイパスを眺める。高低差に感謝。


さてと。道に戻って踏切を渡ればもう市街地である。大通りから裏道へ入って目当ての喫茶店へと向かい、昼を少々まわった頃に喫茶店到着。素敵なクリームソーダを注文し、暫し憩う。久方ぶりでお邪魔したのだけれど、マスター変わらずお元気で良かった。ゆるり休んで憩って気力体力共に回復したら、元来た道を戻るのだ。ここまでで大体22キロだから、即ち帰りも同じってことなら往復で44キロか。ううむ、バテずに無事帰れるかしらん…。まぁ、別段急ぐ旅で無し。脚と相談しながらゆっくり帰れば良いさ、と日焼け止めをしっかり塗り直して、いざ出立。

意外に順調と思われた復路であったが、残り5キロ程を残すばかりとなった頃。案の定、最後の登り坂でいよいよ地味に脚に来た。フロントをインナーにして、なるたけ軽いギアでゆっくり走ろう。と云うか、もうゆっくりでしか走れない(笑)。途中、稲刈りを終えたばかりの田んぼの土手が、群生した彼岸花で真っ赤だった。ほんの少しの間に、すっかり秋の風景になったんだなぁ。午後2時40分、何とかかんとか無事帰宅。海の道のその先へ、行って帰って本日の走行距離は凡そ44キロ、と相成り候。


グワイヒア号と港、の図。


本当なら、もっと格好良く撮ってあげたかったのだけれど、近くに小父さんたちが居たもので、いそいそと…。

*1:中学校の時分にクラスの男子どもが、駅四つ先の街の国道沿いに開店した「つり具の上〇屋」まで、自転車(懐かしのジュニアスポーツ車!)で出掛けて行くのを「馬っ鹿だなぁ」と呆れたことを思い出しながら、あれ?でもそれを云ったら自分も大差無いじゃん(笑)。

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