双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

夏の道

|散輪|


午後。良い塩梅にほんの少し日が陰ってきたので、小屋からグワイヒア号を引っ張り出し、その辺をしゃーっと走りに行く。こないだ知人から聞いたばかりの道は、町場へ下って大型スーパーの裏手へ出て、橋を渡った少し先を右へ折れると現れる一本道。曰く「如何にも田舎道って感じだけど、舗装されてるし、のんびりして良い道だよ」そう云や、未だ一度も通ったことなかったなぁ。道の存在も知らなかった。

よし。ささっと短パンとTシャツに着替えて、ボトルに入れた麦茶と手ぬぐい持って出立し、いつもの裏道から団地坂を下って町場へ。周辺を適当にぐるり回ってから、橋を渡って件の道へ入る。車両の往来の殆ど無い、のんびり長閑な夏の道を走れば、近くの牛小屋から風に乗って牛の声。汗かく暑さの中にも、川を渡ってくる風が心地良くて清々として。ド平坦の一本道をご機嫌に2キロばかり走ったところで、おや。見知った別の道へと合流、お終いとなった。てっきりもっと先の方まで続いて居るものと思ったのだが、残念。せめてこの三倍くらい在ったら良かったのに。
そこから先は小さい坂を少しだけ登って団地へ入り、後は田んぼ道を縫うよに適当に走って帰って来た。ほんの三十分の散歩ならぬ、散輪。どうだろ、明日も走れるかな。


知らなかった道を走るのは、いつだって愉しいのだ。

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