双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

十一月、昼下がり、気晴らし

|日々|


午後。ぽっかり空いた暇時間に古森号の整備などする。
すり減ったブレーキシューの交換やら、チェーンとスプロケットの洗浄やら。
たっぷり二時間ほども費やして、ちまちませっせと黙々と。
特にチェーンは想像以上に汚れて居り、長らく放置した己の怠りを省みる。
つい注油にばかり意識が向いてしまいがちだったが、基本は掃除。
掃除が基本なのは、自転車に限らず、何事においても同様であるね。

手入れにしてもそうだけれど、しみじみちゃんと乗り出すと云うと、
色々なところにあれこれと気が付いて、気になり出せば何かと悩ましい。
そろそろワイヤー類も交換せねばならぬし、ペダルも交換したいよなぁ。
交換ついでにタイヤも履き替えたいなぁ。工具も幾つか買い足しが必要か。
などなど。切りが無くて困るので、優先順位をつけて計画的に、だ。

ふと思う。植物にせよ、自転車にせよ。
私が整備だとか手入れだとかを好きなのは、単純にそこへ没入する時間や
作業そのものが好きだと云うのと、そうやって費やした労力が形となり、
直にありありと、身を以て感じられるから、なのであろう。
至極シンプルだが、身体感覚を伴った確かな実感が在って、好きなのだ。
僅かでもこう云う気晴らしの時間が取れないと、とてもしんどい。



挿し木から育てたキャリエールの奥方。
一輪だけ、楚々と、ひっそり咲いて居た。

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十一月だのに、なんだってこの暖かさは。
未だセーターも出せやしない。

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