双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

お年頃の漢方薬 第三弾

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五十肩

桜の開花と入れ替わりで、花粉症もすっかり落ち着いたので小青竜湯はお終い。これからの春の不調に備えて抑肝散を再開するべく、午後掛かり付け医院へと出向く。加えて今回は、数年前から度々繰り返して居る「五十肩」が芳しくないので、ついでにこっちもお願いする目論見である。
因みに「五十肩」は俗称で、正確には「肩関節周囲炎」と云う。肩の関節部分の骨や靭帯、腱などに炎症が起こり痛みを発症、それによって肩の曲げ伸ばしや上げ下げが困難になるもので、「四十肩」と云うことも在り、要するに中年以降に多いのでこの名が付いたらしいが、たとい三十代で患っても、病名は「五十肩」である。
何が原因で発症に至ったかについては、全く心当たりが無いのだけれど、まぁ恐らくは是も又、所謂”お年頃”の一環なのね、と受け入れることとした。幸い五十肩には五十肩専用の漢方薬「二朮湯」が在るので、ああだこうだ迷わずとも済んだ次第。

【二朮湯】(ニジュツトウ)

  • 構成生薬:白朮(ビャクジュツ) 茯苓(ブクリョウ) 陳皮(チンピ) 天南星(テンナンショウ) 香附子(コウブシ) 黄芩(オウゴン) 威霊仙(イレイセン)  羌活(キョウカツ) 半夏(ハンゲ) 蒼朮(ソウジュツ) 甘草(カンゾウ) 生姜(ショウキョウ)
  • 症状・体質:体力中程度で、肩や上腕などに痛みのあるものの次の症状
  • 効能・適応症:五十肩

*「水」に作用

何しろ「二朮湯」は、保健適応病名が「五十肩」のみ、と云う異色のお薬である(笑)。痛みをとる生薬を中心に、水をさばいて巡りを良くするもの、胃腸の働きを良くするものなどを組み合わせ、五十肩を”湿症”で考える、と云う点も興味深い。とりわけ水の代謝が滞りやすい体質の人には、より効きやすいのであろう。花粉症にしろ関節痛にしろ、私の不調もどちらかと云えば「水」の方面であるから、なかなか期待できそうだ。即効性の薬ではなく、日に日にじわじわ効いてくるタイプとのことなので、先ずは気長に一か月。
さて。お味はと云うと、何とも説明のできない奇妙な味である。何だろなぁ。今まで味わったことの無い類の味で、旨いか不味いかで云えば、恐らくは後者に入るのだと思う。野菜とその辺の雑草と木屑なんかの茹で汁を飲んで居るよな、そんな感じの微妙な不味さとでも云えば良いだろか。苦みは然程感じられないけれど、灰汁抜きの足りない山菜を噛んだときみたいな、えぐみに似た独特の後味が在る。兎に角、奇妙な味としか云い様が無いのだが、是もじきに慣れちゃうんだろな(笑)。

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