|縷々| |音|
今でも鮮明に思い出せること。ぼんやりと朧気にしか思い出せないこと。
石油ストーブのあったかさと。真っ暗闇の中の不気味なくらいの静寂と。
アーロンが窓から屋根に飛び出して、おろおろして鳴いて居たのだったな。
今年よりも、もっとずっと寒い、冬みたいな春先だったな。
十年前の今日と同じ時間に、カウンターの内側で目を閉じて、暫しの黙祷。
ぽつりぽつり。
午後のお一人様たちの、粛々と憩う様にほっとする。
この場所が、この人たちの心の寄る辺で在り続けられますように。
どんなに暗い夜でも、目印の灯火を絶やさずに居られますように。
- アーティスト:Sam Prekop
- 発売日: 2005/02/02
- メディア: CD
春先の一寸薄曇りの、こんな素敵なやわらかい午後に。