双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

若旦那のゲーゲー沙汰

|若旦那|


十一月かぁ、全く早いものだわ…などと遠い目をして居たら、若旦那にまたもや緊急事態!
食べるもの飲むもの全て吐き戻してしまう、と云うゲーゲー沙汰で、
火曜日からすったもんだ。全く以て気が気でなかったのであった。

(因みに前回はこちら↓)

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十一月だとか十二月だとか、事件の起こるのは大抵この時期なのよね。トホホ…。

ただし今回は前回と異なり、元気も食欲もいつも通り在って、一先ず食べはすれども嘔吐してしまう。吐き気は夜が更けるに連れ強くなるらしく、数時間おきにゲーゲーを繰り返す。水を飲んでもゲー。ご飯を食べてもゲー。兎に角、胃の中のものが全て嘔吐で出てしまう。当の若旦那はと云うと、特にぐったりと弱った様子も見られず、いつもよか大人しいかな、と云う程度。そうは云っても、やはり調子のおかしいことには、薄々気付いて居るのであろう。自ら遊びたくて遊び始めても、すぐにこてん、と寝転がってしまう。生憎水曜日はお医者が休診日と云うのもあって、一日様子見をして居たのだけれども、深夜から早朝にかけてのゲーゲーが治まることは無く、いやはや。気の毒で仕方が無いったら無い。

木曜の早朝五時。布団から出てすぐに吐いた胃液を確認すると、うっすらとピンクがかって居り、是は恐らく血液に違いなかろう。吐き過ぎて血が混じっちゃったか…。ううぅ。こいつはもう、朝いちばんでお医者に診て貰わねばよ。幸い、この嘔吐を最後に、若旦那は少し落ち着いたらしく、再び布団へ。朝七時のご飯は抜き。忍びちゃんだけ食べさせると、若旦那が騒ぐであろうから、ここはひとつ、忍びちゃんにも協力を仰ぐ。「兄ちゃんが帰ってきたらすぐにご飯あげるから、一寸我慢して待ってておくれ」

店へ下りて行って開店準備を先に整えて、フォルゴーレ号のバッテリーを充電。そう。来週中に予定して居た、忍びちゃんの三種混合ワクチン接種が、フォルゴーレ号の”坊ちゃんズのお医者初出動”の予定であったのだが、実に若旦那の嘔吐沙汰で緊急初出動とは…(苦笑)。
午前中の診療の始まる九時に到着できるよに、八時四十分頃に出立。背中に背負ったバックパック型キャリアーの中で「あおー」と鳴く若旦那。「我々は今、バイクに乗ってお医者へ向かって居るのであります!」などと適当に(笑)声を掛けつつ、朝の通勤時間帯を少しだけ過ぎた県道を行く。後方から猛スピードのハイエースに煽られても、慌てず冷静に進路を譲り、いつにも増しての安全運転である。何せ、今回は己一人だけでなく、背中にちっこい命も背負って居るのだからして。

実はこのゲーゲー沙汰には確かな発端が在った。それは先週の金曜。若旦那は僅かに隙間の出来た抽斗から、根性でじゃらし系おもちゃを引きずり出し、挙句齧って飲み込んでしまった。しかしながら翌早朝には、全て吐き出してくれて、やれやれ一安心...で終わってくれれば良かったのだけれど、是が今回のゲーゲー沙汰のきっかけとなったであろうことは、間違い無い筈だ。じゃらしのパーツは固めのビニル素材から成って居り、恐らくはこいつが胃袋の中で、イガイガと胃壁を傷付けたのであろう。

さて。診察の結果、嘔吐による僅かの脱水以外は、体温・心音・呼吸・腹部皆正常。健康状態に是と云った異常は見当たらぬことから、先生の見解も前述の推察とほぼ同じであった。従って、効き目の早い吐き気止めの注射を打って処置。帰宅後の食事は固形物を止して液状のものを与えるように、との指示を受け、錠剤の吐き気止めと胃薬を処方して貰う。尚、これらの処置で症状が治まらなかったり、何らかの異常が見られたりした場合は、すみやかに来院の上、要検査とのこと。一先ず適切な処置を施して貰ってホッとし、再び若旦那を背中に背負ってフォルゴーレ号で帰途に就いた。
やれやれ。是で治まってくれることを、只々祈るばかりであるよ。

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