双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

山麓まで走る

|雑記|


午前中の内に掃除洗濯と猫のお世話。昼ご飯に炒飯を拵えて食べた後、珈琲を淹れて窓の外を眺めやる。そうさなあ。ヘルメットとゴーグルも新調したことだし、午後からちょいと足を延ばして、山の方へでも走りに出掛けよか。隣町のうんと奥の方、山麓の登山口まで行ってみることとした。どこまで行けるかはバッテリー次第なので、行きは良い良い帰りは怖い、とならぬよに気を付けねば。*1昨晩、丁度満充電しておいて良かった。”遠出未満のお出掛け・山道編”として、走行訓練及びバッテリーの燃費テストに良い機会である。

さてと。訓練と燃費テストに気晴らしも兼ねて、午後一時二十分。いざ出発。連休中なので山方面への交通量もさぞかし多いことと思いきや、存外拍子抜け。とは云え、県道を猛スピードですっ飛ばす車は相変わらずで、お先へどうぞ、と追い越して頂きつつ、十分に気を付けながら走行。県道Aを途中から折れて、山方面へと向かう県道Bへ。ここから目的地まではずうっと登りが続くため、平素と比べれば当然バッテリーの消費は早かろう。間も無しに広い公園を有したダムが在り、そこからもう暫く走ると左手に現れる分岐路は、パワースポットとして名の知られた神社とお山へ向かう道。案の定、後ろからやって来る車両の殆どは左折してそちらへ。本道はあっと云う間に静かとなった。*2

何も無い山の道に時折行き会うのは、地元住民の軽トラか林業関係車両、一人ツーリングの単車程度。道中にはぽつりぽつりと小さな集落が在って、郵便局のベンチでおばあちゃんらが休んで居たり、土手の上の低い石垣から、咲き始めのコスモスがふんわりこぼれて居たりして、長閑な山間の風景が心地良い。秋晴れに景色を眺めながら低速でのんびり走る。途中で喉が渇いたので、鄙びたバス停にフォルゴーレ号を寄せて小休止。バス停のベンチに腰掛けて、水筒を出してお茶を飲む。隣にはお地蔵さんが在って、誰かがお花を供えて居るんだな。スプレー菊が真新しい。背後の梢に山鳥らがさえずり、何処かからトラクターの働く音が重なる。実に清々とした心持ちで、空を仰いでベンチに腰掛け、暫しぼんやりと憩う。

人心地ついたところで、さあ出発。この時点でバッテリーの残量は65%であるが、帰路には…ううむ、55%くらい残しておくのが賢明か。何が在るか分らぬものな。少し走ると道は途中から突然に細くなり、軽自動車二台が辛うじてすれ違えるかどうか、程の道幅が短い間隔で蛇行しながら続く。ここから先は、20キロ台でトロトロと進みながら様子を見ることとした。程無く細いくねくね道は鬱蒼とした杉林の中へ。光が射しこまぬのと、濡れた路面の所為か、空気がきんと冷たい。あ、沢が近いのかな。水の音がする。計画上の目的地である登山口のバス停(終点)まで、あと五キロは十分にありそうだけれど...。バッテリー残量と睨めっこしいしい進み、左手にフェンスの閉じた林道の入り口が見えた辺りで、丁度残量は55%となった。ここで引き返すこととする。

当然ながら帰りはずうっと下りなので、行きよりもバッテリーの消費は少ないだろうが、念のため、杉林の細道が終わるまでアクセルは最低限に、下り坂の惰性を借りながら進む省エネ走行で(笑)。さすがに道が開けたら無理だけれども、是で小銭程度は貯金が稼げたのじゃなかろか。帰り道も清々しく実に気持ちが良くて、調子に乗ってついスピードを出し過ぎてしまい、後方から近付いて来る大型バイクの気配で、はたと我に返る。廃校跡の所の大きなS字のカーブ、きれいに上手く走れた。やがてダムまで戻って来て、駐車場に四輪車や単車の姿を多数見掛ければ、ようやっと下界へ戻って来た感在り(笑)。県道Bを後にして町境の少し手前の、峠の茶屋ならぬ和菓子屋で、帰りがけにどら焼きと餅菓子を買い求めた。ここの粒あんの風味、田舎の和菓子屋には珍しく上品で好きなんだぁ。嗚呼、そうか。フォルゴーレ号が在れば、いつでもここまで買いに来られるのか、と今更に気付く。

午後三時丁度に無事帰宅。バッテリーは34%残。あと少し先、目的地の手前くらいまでは進めたのかもしれないが、今回は是で良しとしたい。


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カメラを持って出るのを忘れてしまったので、帰宅後のどら焼きで一枚。

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  • 本日の走行距離:39キロ
  • バッテリー消費量:66%
  • 所要時間:100分 (休憩・寄り道含む)

山道だけに大小緩急様々のカーブに富み、実に良い訓練となった。

*1:何しろバッテリーの残量が10%を切ると、強制的にエコモード(20キロ)へ切り替わってしまうため、余力として10%以上は残しておく必要が在るのです。

*2:それにしても、道すがら見掛けるのは立派な中・大型バイクの皆さんばかりだもので、後ろへ木箱を乗っけた真っ赤なチビッコなど、実にお恥ずかしい限りであったヨ…。

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