双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

八月雑感

|雑記|


梅雨明け以来、途切れぬことなく過酷な猛暑が続き、
人も草木も動物も、まったく身の置き場の無いよな日々であったが、
八月も末。ほぼ三週間ぶりの雨のおかげで、ようやっとの涼にありつく。
朝から冷房を付けずに済むくらい。是で少しは気力が回復するかしら。


新型某禍に覆いつくされた今夏を「特別な夏」などと云う、
体の良いだけの、空っぽな言葉で誤魔化したい向きが在る風だが、
何が特別なのだか、甚だ意味不明。それでどうしろと云いたいのか。
こんなものは白々しいばかりで、くしゃっと丸めてポイ!である。
私に云わせれば「気の滅入る夏」「しんどい夏」でしかない。
日を追うごとに、己の中の (微々たる) 寛容さや穏やかさが
あれよあれよと抜け落ちてゆくのを直に感じながら、嗚呼。
それでも。今この瞬間も、人間性を試されているのだなぁ。
何となくで良いから、折り合いをつける方法を知りたいと思う。


涼しい午前中のベランダで、猫たちの毛を梳いたり体を拭いたり。
一通りのお世話が済むと、其々好きな場所に散らばって昼寝。
昨晩に片付ける筈だった、取り込んだままの洗濯物を畳み始め、
最後の一枚を終えたら、ほんの少しだけ気持ちが平らになって居た。
猫たちが居てくれて、良かった。有難う。


家庭菜園のお裾分けのゴーヤーで、夕飯にチャンプルーを拵えた。
久々に腹の底から食欲が沸いてきて、モリモリと食べた。
きゅっきゅと噛みしめ、爽やかな苦みを味わいながら、はたと気が付いた。
そうかそうか。今の私にはゴーヤーが必要だったのか。
やれやれ。気が滅入るだの、謎の湿疹だの何だのと、
新型某禍で、知らず知らずに生命力が目減りして居たのであろう。
其処へ季節に見合った食材を、しっかりと摂って徐々に回復を図る、と。
成る程、実に医食同源であるなぁ。

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