双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

四月の光

|日々|


盛りを過ぎた桜の花が、春の薄い光の中へ霞んだよに白んで居る。
小学校の校庭には、学童クラブの子どもたちがボール遊び。

人が人らしく生きられることの大切さ。
今まで当たり前だったことが、突然、そうではなくなったとき、
当たり前が、実はちいとも当たり前なんかじゃなくて、
幾千幾万の。名も無き何処かの誰かの働きや努力、
犠牲が重なり集まって、それでようやっと成り立つものなのだ、と。
そんな風に気付ける人が、願わくば多く在って欲しい。


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野菜とぜんまいのナムル、鶏肉ときのこの黒酢炒め、ゆで卵。
昨日の残り物だとか、ついでに拵えたものでお弁当。
ちょっと冷めたくらいのが、しみじみとするのは何故だろか。

幸い、三月の間は未だ客足への影響を然程感じずに居たけれど、
四月に入ってから状況が急変、いよいよ影響が出てきたな。
これから日の進むにつれ、更に様々に出てくるのだろな。
食後。ほうじ茶をすすりながら、遠くぼんやりとする。


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春の猫たち。
寝台の上の陽だまりで、うとうとして居る。
人の世の怒涛も混沌も、彼らの春眠を妨げるものではない。
眠れ眠れ。
春のまどろみの中に。四月の光の中に。

午後。バラの新枝の先へ、未だほっそりとして
しゅっと上を向いた蕾をいくつか見付けて嬉しくなる。
仕事。草花の世話。猫らの世話。
坦々と、粛々と。
できることだけを行いながら、けれど、
見知らぬ誰かに心を寄せ、思いをめぐらすことを
決して忘れぬよに。そっと、手を置く。

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