双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

老眼鏡と塞翁が馬

|本| |雑記|


暫くぶりに諸星大二郎の『暗黒神話』を思い出して、いざ読み出したは良かったが、
ううむ、こいつは参ったな…。
何しろサイズが文庫判だもので、活字のルビがぼんやり滲んで読めぬときた。

暗黒神話 (集英社文庫(コミック版))

暗黒神話 (集英社文庫(コミック版))

孔子暗黒伝 (集英社文庫(コミック版))

孔子暗黒伝 (集英社文庫(コミック版))

勿論、買った当時は後の老眼のことなど微塵も頭に無かった訳だが、今更ぼやいたところで仕方が無いので、主に字引き用に使用して居る上下遠近の老眼鏡を、文字通り鼻の中程へ引っ掛け、縁側で繕い物する老婆の様相で黙々と。更に続けて『孔子暗黒伝』を読み終えるも、いやはや。さすがにこのサイズでは、目がしょぼしょぼでしんどかったヨ…(笑)。*1
猛烈に切実に「先生の作品はA5判推奨」としたいものである。


やれ老眼だ、関節痛だ、物忘れだ。
こちらの思惑を他所に、肉体とその機能の衰えは着々と進んでゆく。
それを好き勝手に操ることはできぬし、勿論止めることなどできぬ。
禍福も又、思惑の及ばぬものか。まして互いが転じることも在る。
進むに任せ、観念して受け入れたり、無理を承知で抗ったり。
そんなこんなで、未だに不惑も会得できずに居る体たらくよ。

そろそろ、ちゃんとした老眼鏡を作っても良い頃かしらん。

*1:殆どのコマ割りが四段組であることに加え、描き込みの密度が物凄いので、特にこの頃の作品は全く文庫判向きじゃないと思うのです(笑)。

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