双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

暁に東の方を見よ

|雑記|


最大級の警戒が呼び掛けられて居る、超大型台風の間近に迫る中、
未だ様子の静かなうちから、店の表回りの片づけやら補強やら。
せっせせっせと、独楽鼠のよに、着実に防災の準備を整える。
何と云っても、手塩にかけたオールドローズのお嬢さん方。
秋に入ってぐんぐん伸びて来たので、何としても枝葉を守らねば。
動かせる鉢入りさんは軒下へ取り込んで、構造物へロープで固定。
動かせぬものは枝を結わえるなどして、可能な限りの保護をし、
植木鉢やバケツ、椅子、脚立などは外階段の下へ移動。
他、コンパネで覆ったり。重量ブロックを並べたり積んだり。
細々したものを全て店内へと取り込み、日よけを外したら、
梯子を屋上へ上って、アンテナのケーブルなどを確認。
怪しい箇所は結束タイで固定し、ついでに螺子も締め直す。
ポリ容器に水を汲み置き、ランタンに新たな電池を入れた。
ふむ、こんなものかしら。未だ何か在ったかしら。
午後にようやっと一段落して、ふとご近所を見渡せば、え?
どうしたことやら、お隣さん以外は、どのお宅もそのまんま。
即ち、来たる嵐への準備も対策も、なさる気配が全く無いヨ!
土地柄とは云え、こうなると暢気さも或る意味、罪である(笑)。


しましまぁ、この黙々着々と進める備えは戦に臨むが如く。
ヘルム峡谷での合戦前夜みたいだなぁ、などと思う。
となれば凶暴な台風は、差し詰めアイゼンガルドの軍勢か。
尤も。合戦どころか、こちらは籠城するしか無い訳だけれどもさ。
お外っ子のお嬢の身が目下心配であるが、明日の早朝までは
一先ず軒下の寝箱で過ごして貰って、雨風の酷くなる前に黒焦げ荘()
もとい”Blackburned Cottage” (笑) へ避難させるつもりである。
以前の大雨の際にも、緊急避難させて一晩過ごして貰ったし、
勝手は心得て居ることと思うけれど、丸一日ってのは初めて。
何にせよ、こんな緊急事態のためにも、小屋を建てておいて良かった。

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